第24回 薬局の課題に関する調査⑧

2019/05/20


皆様、【Oncology MR Training Project】主宰の高橋洋明です。
 
 今回も本コラムをご覧くださり、ありがとうございます。
 今回も、現在の薬局の課題に関する話題を皆様と一緒に見てまいります。
 今回ご紹介するデータも、ネグジット総研様の調査結果です。貴重な薬局の生の声を調査されましたので、前回に引き続きそのデータをご紹介いたします。

 確認として、今回ご紹介する調査の概要をお知らせいたします。

 
  

 このアンケートでは、「現在、製薬企業MR数の人員削減含め、製薬企業の医薬品プロモーションのあり方が変化していますが、「製薬企業に期待すること」を教えてください」という設問がありました。このアンケート結果を確認していきましょう。

このアンケートでは、100件の自由回答のコメントが寄せられていました。
その内訳は、大まかに分類すると
 ・MRや製薬企業への情報提供のあり方への「要望」 (36% (36/100))
 ・情報提供以外のMRの定期訪問やマナー、医薬品の高薬価など製薬企業や
  MR活動への「苦言」    (41% (41/100))
 ・製薬企業への安定供給の要望    (6% (6/100))
 ・MRへの激励                          (2% (2/100))
 ・特に期待していない             (15% (15/100))        という状況でした。

MRが日々医療機関を訪問し、医薬品の適正使用情報の提供・収集・伝達をしていても、その活動が薬局に伝わっておらず、期待もされていない割合が15%ほどあるということは、大変残念なことです。

むしろ、現在のMR活動に対する批判が「要望」と「苦言」を合わせると8割近くに登っていたことから、現状の製薬企業やMRの取り組みに対し薬局の薬剤師は大いに不満を持っていることがみて取れます。

 


  具体的な不満として、下記のようなコメントが散見されていました。
 ●21時~22時まで開局している薬局において突然の質問に即答できない場合、
  製薬メーカーのコールセンターや担当MR、学術担当者などと連絡が取れると
  助かる。遅い時間まで対応してほしい。
 ●薬剤師が24時間対応を強いられている現状では、製薬メーカーも変わる必要が
  あるのでは?
 ●他の類似薬との比較や使い分け、副作用など長所短所含めて正直に教えてほしい。
 ●コスト削減して、もっと薬価を引き下げてほしい。儲け過ぎ。
 ●あからさまに売上重視なMRがいる。売ることに集中しすぎて節操がない。
  倫理観を持ってほしい。
 ●MR自身がMRの存在意義を低下させている。
 ●必要な情報は、迅速に教えてほしい。
 ●自社製品の情報のアップデートとその情報を薬局にフィードバックしてほしい。
  添付文書に必要な情報が少ない。コールセンターに問い合わせても「調べていない」
  と言われる。

 これらはいずれも「できていないから指摘されている批判」です。
中にはプロモーションコードや医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン等で規制されているため実施が難しい活動もありますが、医療の現場ではこれらに関わらず必要としている情報があるということは事実です。
 この点への対応は、製薬業界全体がこれからも引き続き適切な対応のあり方を検討し、確実に実行していくことが医療従事者から求められるでしょう。

 また、今すぐできることとしては「MRが過度に売上を追い求めない」取り組みがあるでしょう。この点は私がMRだった頃から依然として続いているMRへの批判です。
 このようなMR活動が医療従事者に拒否されているままでは、MRが医療従事者に貢献できる活動をすることも難しいでしょう。

 MRや製薬企業の営業本部の所属している社員の場合、ほぼ全ての社員が評価に売上が組み込まれているため、MRも自身の昇進昇級のためにキャンペーンや期末には薬局に通常の発注以上の数量の購入を依頼しています。
 これが薬局薬剤師の不興を買っています。

 売上は本来、その財・サービスに価値があるがゆえに消費者が購入することで成り立ちます。すなわち、売上とは結果です。
 この点を忘れてしまっては、全てのプロモーションが失敗に終わることを製薬企業のプロダクトマネージャーや営業本部全体として忘れてはなりません。

 これらのことを踏まえつつ、薬局薬剤師から支持され、売上も上がる取り組みがあるかどうかを、次回皆様と一緒にみていきましょう。


 

 

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