第23回 薬局の課題に関する調査⑦

2019/02/28

皆様、【Oncology MR Training Project】主宰の高橋洋明です。
 
 今回も本コラムをご覧くださり、ありがとうございます。
 今回も、現在の薬局の課題に関する話題を皆様と一緒に見てまいります。
 今回ご紹介するデータも、ネグジット総研様の調査結果です。貴重な薬局の生の声を調査されましたので、前回に引き続きそのデータをご紹介いたします。

 確認として、今回ご紹介する調査の概要をお知らせいたします。

 
  

 ◆ 「後発医薬品のメーカー選定」において影響する要因は?

 このアンケートでは、後発医薬品のメーカー選定において影響する要因は何か?を調査しています。下記にその結果をお示しします。
(読み方 上段:回答の実数、 下段:回答の割合(%))

 
全体 よく影響
する
時々影響
する
あまり影響しない

全く影響しない

Total
メイン医療機関の意向 100 36 28 15 21 0
100.0 36.0 28.0 15.0 21.0 0.0
会社(本部)の意向 100 46 25 14 15 0
100.0 46.0 25.0 14.0 15.0 0.0
医薬品卸の取り扱い 100 18 33 34 15 0
100.0 18.0 33.0 34.0 15.0 0.0
地域の基幹病院 100 8 29 41 22 0
100.0 8.0 29.0 41.0 22.0 0.0
その他に影響する要因があれば教えてください(具体的に) 0 0 0 0 0 0
0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0




 このアンケート結果から、調剤薬局に対して後発医薬品への切り替える影響を及ぼすのは「メインの医療機関の意向」「会社(本部)の意向」であることが明らかになりました。
 「メインの医療機関の意向」が「よく影響する」と回答した薬局は36%、「会社(本部)の意向」が「よく影響する」と回答した薬局は46%に上っています。

 現在の後発医薬品の市場浸透策は、診療報酬・調剤報酬上のインセンティブを働かせることが基本です。しかもこれらのインセンティブは医療機関にとって導入するハードルはさほど高くなく、収益は簡単に上がります。その結果、医薬品市場に占める後発医薬品の割合は平成30年9月の時点で72.6%に達しました。

 しかしこの現状をさらに加速させるように、平成32年9月までに使用割合を80%にするという目標を厚生労働省が掲げています。


 それを後押しするように、医療者が利用しているシステムも後発医薬品の使用を促す仕組みを実装しています。具体的には、電子カルテに医薬品名を入力した際、その医薬品に後発医薬品がある場合は自動的に後発医薬品が表示されるようになっています。この機能はほとんどの電子カルテのシステムに実装されています。

 このような状況では、処方元の病院が後発医薬品の登場とともに先発医薬品からの切り替えを図り、それに門前薬局が追従するのは至極当然のことと思われます。

 薬局チェーンの本部も薬局の収益向上のために積極的に後発医薬品に切り替えていくべくチェーン薬局全店に指示を出していくことも容易に想像できます。ですが、それらの影響の度合いを数値で示す情報は、これまで乏しかったです。
 それらの影響を今回、数字で示せたところにこのアンケートの価値があります。


 


 ◆ AGが新たに発売されたら、採用済みの後発医薬品は切り替えられるのか?
このアンケートでは「既に後発医薬品を備蓄している医薬品でも、新たにAGが発売された場合、採用を検討されますか?」ということも尋ねています。その結果を下記にお示しします。
(回答:いずれか一つだけ選択)

 
No. カテゴリ 実数 %
1 原則AGを採用し、元の後発医薬品の備蓄も継続する 7 7.0
2 原則AGを採用し、元の後発医薬品の備蓄は中止する 24 24.0
3 備蓄後発医薬品の変更はない 61 61.0
4 その他(具体的に) 8 8.0
サンプル数(% ベース) 100 100


 この結果から、一旦採用された後発医薬品は、その6割はAGが新たに発売になっても採用が変更されないことがわかりました。

 これは、後発医薬品の場合は、後発医薬品メーカー各社がどのような発売直後の採用活動を展開するのかによって、その後の後発医薬品のブランドシェアが決まるということです。
 また、AGと後発医薬品では、24%の薬局が後発医薬品からAGに切り替えると回答しています。AGを販売する製薬企業は、このような薬局をキチンと把握して早急にAGを採用させることが市場への早期浸透のためには必要不可欠です。

 では、薬局側としては製薬企業にどのような情報提供を期待しているのでしょうか?
それについては、次回一緒に見ていきましょう。


 

【連載コラム】「薬局のホントのところ」バックナンバー